いきなりですが、皆さんが、パイロットになる時に最初に受ける試験って聞いたことがありますか?
ですが、民間機に乗る皆さんの最初の試験は、ズバリ「航空従事者等学科試験」というものです!
パイロット以外にも飛行機が安全に空を飛ぶために業務をする人全般を対象とした試験なんです!
自動車免許を取ったことがある人は、同じような試験なんですが、、、やはり多くの学生が抵抗を感じるようです。
今回からは、皆さんに安心してこの試験に臨んでもらえるように、試験に直結する内容をバシッとお伝えしたいと思います。
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本ブログは、10年間のパイロット経験を積み重ねてきた筆者が、「誰でも飛べる」をモットーに将来パイロットになりたい学生に向けて発信しています。
それでは早速、今回のテーマ「航空法規の目的」について順を追って説明していきますね。
身近な「車」で考えてみよう
航空法規が必要な理由を理解するために、まず身近な「車」について考えてみましょう。車は現代社会に不可欠な移動・輸送手段ですが、安全で効率的な利用のためには次の点に留意する必要があります。
- 車自体の安全性確保
- 運転者の技量と知識
- 道路インフラの整備
- 交通ルールの制定
また、歩行者の安全確保や、騒音・排気ガスの抑制対策も欠かせません。さらに、運送事業を秩序よく確立することも社会生活上重要です。
「航空機」も車と同じ
航空機についても車と同様に、次の3点を図る必要があります。
- 航空機の航行の安全性確保
- 航行に起因する障害の防止
- 運航事業の適切かつ合理的な運営確保
これらを目的として、航空法が制定されているのです。
航空法の目的(航空法第一条)
航空法第一条では、航空法の目的を以下のように定めています。
- 国際民間航空条約(シカゴ条約)の規定や附属書に準拠し、航空機の航行の安全と障害防止のための方法を定める
- 航空事業の適正かつ合理的な運営を確保し、輸送の安全と利用者の利便を図る
- 航空の脱炭素化を推進するための措置を講じる
- 無人航空機(ドローンなど)の飛行における遵守事項等を定め、飛行の安全を確保する
- これらを通じて、航空の発達と公共の福祉の増進を目指す
つまり、航空法は航空機の安全運航と航空産業の健全な発展を図ることで、社会全体の利益につなげることを目的としているのです。
まとめ
今回は、航空法規が必要な理由と、航空法第一条に定められた目的について解説しました。
- 航空法は、航空機の安全運航と航空産業の健全な発展を図るために不可欠
- 国際条約に準拠し、安全・利便・公益のバランスを重視
- 脱炭素化や無人航空機の安全確保など、新たな課題にも対応
航空法は、パイロットを目指す皆さんにとって不可欠な知識です。特に今回の内容は、国家試験のなかでも必ずと言っていいほど問われる内容になっています!
しっかりと理解して、大空を飛ぶ夢の実現に少しずつ近づいていきましょう。
それでは、今日の記事はこれにて終了!
次回の記事では、航空法第一条にある「航空機の航行の安全の確保」に関して切り込んで解説しますので、お楽しみに!
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参考
- 航空法(法律)- e-Gov法令検索
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=327AC0000000231 - 国際民間航空条約(シカゴ条約)について|国土交通省
https://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000185.html