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航空大学校に落ちたらどうする?セカンドプランの考え方
この記事で分かること
| 対象 | 航空大学校を受ける/受けた志望者(不合格が不安な人・その保護者も) |
| 難易度 | ★★☆☆☆(進路設計の基礎) |
| 所要時間 | 約8分 |
| 読むと分かること | 縁がなくても残る4つの道(再受験・自社養成・私立大学・自費訓練)/資金リスクを抑える順序と、免許取得の順番で損しないための注意点 |
はじめに
航空大学校を目指していると、「もし結果が届かなかったら、そのあとどうしよう」と考える瞬間が、ふとやってくることがあります。まだ試験まで間があるなら、いま答えを出さなくても大丈夫です。ただ、もし縁がなくても、どんな道が残っているのかは、結果を待つ前でも、進路を考える材料になります。
はっきりしているのは、航空大学校に縁がなくても、操縦士の道が閉じるわけではないということです。再受験、大学を経由しての自社養成、私立大学の操縦コース、自費でのライセンス取得——入口はいくつも残っています。この4つを一度見比べておくと、結果が出たあとに、あわてて一つへ決めずにすみます。
以下では、その4つのセカンドプランを並べ、そのうえで「お金と順序で失敗しないための注意点」まで見ていきます。読み終えるころには、次に確かめることが一つ二つ、手元に残ると思います。
進路は、日本の中だけで完結するとも限りません。社会人として働きながら資金をつくり、海外で訓練を受けて、現地の航空会社で大型機(ボーイング787など)を操縦している日本人パイロットもいます。もちろん、費用も英語も、生活の立て直しも、考えることは増えます。それでも、一つの試験の結果だけで入口が決まってしまうわけではない——そう思える例の一つです。
結論(先に一言)
航空大学校に縁がなくても、操縦士の道は閉じません。 年齢の条件を満たす間は再受験でき(例外は後述します)、大学を経由して自社養成に応募する道、私立大学の操縦コース、自費でのライセンス取得もあります。
資金の負担を抑えたい場合、「大学に進んで再受験の資格を残しつつ、在学中に自社養成へ応募する」は、現実的な組み立ての一つです。ただし、免許を取る“順序”によっては自社養成に応募できなくなることがあるので、そこだけは順番に気をつけたいところです。

▲ 縁がなくても道は4つ。まずは締切・費用・年齢・免許の有無を並べて確認する。
落ちても道は閉じない:4つのセカンドプラン
航大に縁がなくても、残る道は大きく4つあります。
① 再受験する
航空大学校は、原則として複数回受験できます。ただしひとつだけ明確な例外があります。過去に第二次試験の身体検査B(脳波検査)で不合格になった人は、再出願ができません。逆に言うと、一次試験や他の段階での不合格なら、年齢・学歴の条件を満たす範囲で翌年度以降も挑戦できます。年齢は令和9年度で2002年4月2日〜2007年4月1日生まれ(=入学年度の4月1日で満25歳まで)が対象です。
そして、これは知っておくと少し気持ちが軽くなるかもしれません——一度うまくいかなくても、翌年に挑む人は珍しくありません。私のまわりでも、再受験組はよく見かけました(体感で2割ほど。公式の統計ではなく、あくまで私の肌感覚です)。再受験は、進路の選択肢の一つとして、ふつうに選べます。
② 大学を経由して自社養成に応募する
4年制大学に進み、在学中にANA・JALなどの自社養成に応募する道です。訓練費の大部分を会社側が負担するため、資金面では大きな選択肢になります。ANAは卒業後3年以内の枠(新卒II)もあり、JALは30歳程度までの募集例があります。
③ 私立大学の操縦コースに進む
東海大学・崇城大学・桜美林大学などで、学位と操縦訓練を同時に得る道です。ただし、大学の学費とは別に海外実機訓練費・滞在費などがかかり、総額は数千万円規模になり得ます。
④ 自費でライセンスを取る
国内外のフライトスクールで自家用(PPL)から事業用(CPL)・計器飛行証明までを取得する道です。ただし免許取得が就職を保証するわけではないので、就職戦略と資金計画をあわせて考えておくことが前提になります。
補足:再受験は、珍しい選択ではない
一度落ちてから翌年に挑む“再受験組”は決して珍しくありません(運営者の体感で2割ほど。公式統計ではなく肌感覚です)。もう一度受け直すのは特別なことではなく、むしろよくある選択です。
💬スカイ(にっこり):「これで終わりかも」って思いやすいけど、そんなことはないよ。 まだ残っている道を、一つずつ一緒に確認していこう。焦って今すぐ一つに決めなくて大丈夫。
モデルケースで考える「次の一手」
4つの道を並べたら、次は「自分の場合、どこから確かめられそうか」です。年齢や今の立場によって、先に見ておきたいものは変わります。ここでは二つの例で、「何を並べて考えるか」をたどってみます。
ケース1:大学2年で不合格だったDさん(20歳)
Dさんは、再受験の年齢にはまだ幅があります。ただ、結果が出た直後に「来年こう改善しよう」まで気持ちが向くとは限りません。あれもこれもと一度に立て直そうとして、かえって手が止まる時期もあります。少し時間がたってから、身体検査で引っかかった項目がなかったか(脳波検査B以外なら再挑戦できます)、英語・適性・面接のどこを見直すか、在学中に応募できる自社養成があるか——これらは同時にでなく、気になるものから一つずつ確かめれば十分です。
ケース2:社会人からの挑戦で不合格だったEさん(24歳)
年齢の締切がいちばん近いケースです。航空大学校の残り受験機会が限られるぶん、早く次を決めたくなるかもしれません。ここで一つだけ、順番の注意があります。自費で海外のCPLまで取りにいく道を考えるなら、その前に次章の応募条件へ目を通しておくこと。自社養成を候補に残したい場合、免許を取る順序が応募資格に関わることがあります。
💬スカイ(考え中):この2人みたいに、条件が違えば、最初に見る場所も変わってくる。 自分がどっちに近いか、なんとなく当てはめてみるところからで大丈夫だよ。
落ちた後の気持ちの立て直し方
進路の選択肢と同じくらい気になるのが、結果が届かなかった後の気持ちのことだと思います。ただ、ここで「早く立て直さなきゃ」と力む必要はない、というのが私の考えです。
うまくいかなかったあと、すぐに「次へ」と思えるとは限りません。ただ悔しい日もあれば、何を見直せばいいのか分からなくなることもあります。私自身も、訓練が始まってから思うように操縦桿を扱えず、立ち止まった時期がありました。結果を急いで意味づけしなくても大丈夫です。少し時間がたってから、「自分はまだ空を目指したいのか」「目指すなら、どの入口なら続けられそうか」を考える余地は、ちゃんと残っています。
「今回はうまくいかなかった。じゃあ、何が残っただろう」。そう考えられる日が来たら、そのとき試験の結果や準備を見直す材料にすればいい。そこまで気持ちが向かないうちは、前向きな結論は、いったん保留でいいんです。
私自身が支えにしていたのは、三つでした。一つは「最大限やりきる」こと。中途半端だと、次につながる反省点さえ見つけにくかったんです。もう一つは、一緒にがんばる仲間や家族の顔。そして最後は、「そもそも自分はなぜパイロットになりたいのか」という原点でした。すぐに気持ちが整理できたわけではありませんが、次をどうするか考えるときの、足場にはなりました。これはあくまで私の三つで、人によっては、家族のひとことだったり、初めて操縦席に座った日の感覚だったりします。結果の直後に、支えがすぐ見つからなくても不思議はありません。
そのうえで、私が最初に助かったのは、いたってシンプルなことでした。先輩や教官に、結果を話してみたこと。 すぐに答えが出たわけではありません。それでも、「次に何を見直すか」を一人で抱え続けるより、いくらか整理しやすかった記憶があります。話せそうな相手がいるなら、頼ってみるのも一つです。まだ人に話したくなければ、気になった点をメモに残しておくだけでも、あとで自分の助けになります。
それでも空を目指したい気持ちが残っているなら、次に考えるのは「どの入口から、もう一度そこへ向かうか」です。再受験でも、自社養成でも、大学の操縦コースでもいい。気持ちを急いで固める必要はありません。自分に合いそうな次の一手を、そのときが来たら選べば十分です。
💬スカイ(まじめ):今日じゅうに気持ちを整理しきらなくて大丈夫。 うまく言葉にできないうちは、誰かに一言こぼすだけでも、少しほぐれることがあるよ。
資金リスクを抑える順序と、免許取得の落とし穴
費用と免許取得の順番は、あとから取り返しにくいところがあります。「自分はどちらを本命に置くか」を一度考えておくと、次の一歩を選びやすくなります。進路は大きく二つのタイプに分かれ、どちらを本命にするかで、動く順番が変わります。
① ライセンス取得型(自分で免許を取る)
航空大学校・私立大学の操縦コース・自費訓練など、在学中や訓練で自分が事業用(CPL)を取り、資格を持った状態で採用を目指す道です。奨学金や教育ローンまで含めて資金計画が組めるなら、私立大学の操縦コースは比較に入る選択肢になります。学位と操縦訓練を並行して進められる一方、総額は数千万円規模になり得るので、返済計画までセットで見ます。費用を国費中心に抑えたいなら、航空大学校の再受験も、このタイプの中心的なルートです。
② 自社養成型(会社が訓練費を負担する)
ANA・JALなどに免許を持たない状態で応募し、入社後に会社の費用で訓練を受ける道です。資金の負担は最も軽い一方、狭き門でもあります。
⚠ 自社養成を本命にするなら、CPLを取る前に確認したい応募条件。
自社養成は「応募時点で操縦士免許を持たないこと」を条件にする例が多く、JALの近年の募集では、事業用操縦士免許を“現在持っている人”だけでなく“過去に取得したことがある人”も応募できないとされています(ANAウイングスの例も「操縦資格を保有していないこと」)。私立大学の操縦コースや自費でCPLを取ると、その後にJAL等の自社養成へは応募できない場合があります。自社養成を第一候補に置くなら、CPLを取り始める前に、志望会社のその年の募集要項へ目を通しておくこと。 ここで確かめたいのは、どちらが正しいかではなく、自分がどの応募資格を残しておきたいか、です。残したい入口によって、動く順番が決まります。

▲ 進路は二つのタイプ。CPLを取り始める前に、どちらを本命にするか(=志望会社の応募条件)を確かめておく。
航空大学校や私大の操縦コースを出たあとは、免許を持つ人向けの採用ルートへ進む形になります。自社養成とは入口が違うだけで、ANAやJALを含む航空会社を目指す道は、そのまま続いています。
どちらの道を選ぶとしても、早めに見ておきたいこと
・視力・色覚・聴力など、航空身体検査で自分が気になる項目を早めに整理しておく(進路を具体化するときに関わってきます)。
・英語・基礎学力・適性検査・面接は、結果を待つ時期にも少しずつ続ける(次の募集や再受験のとき、積み上げがそのまま使えます)。
参考までに費用感も。自費の場合、国内でPPL(自家用)は概ね400〜600万円から、CPL・計器飛行証明まで含めると1,500万円前後以上、海外でゼロから取ると渡航・滞在まで含めて1,500〜2,000万円超を見込むのが現実的です(国土交通省の資料や最低飛行時間要件から組んだ保守的な目安。自家用は17歳・総飛行40時間、事業用は18歳・総飛行200時間などが要件)。
💬スカイ(まじめ):お金より前に決めたいのは「どっちを本命にするか」だね。 自社養成を考えるなら、免許を取り始める前に募集要項を確認。先にCPLを取ると、応募できない会社もあるからね。
⚠ 再受験の例外と、免許を取る順序に注意
再受験は原則できますが、第二次試験の身体検査B(脳波検査)で不合格になった人は再出願ができません。また自社養成(特にJAL)は、CPLを現在または過去に取得した人は応募できない募集例があります。自社養成を本命にするなら、免許を取り始める前に志望先の当年度募集要項を確認しておくと安心です。
まとめ
迷ったときのために、ここまでを短く置いておきます。
- 航空大学校に縁がなくても道は閉じない。 再受験・自社養成・私立大学・自費訓練の4つが残る。
- 再受験は原則できる。 ただし第二次試験の身体検査B(脳波検査)の不合格者は再出願できない。年齢は入学年度4/1で満25歳まで。
- 進路は「自分で免許を取る道」と「会社負担の自社養成」の二つ。 どちらを本命に置くかで、動く順番が変わる。
- 免許取得の順序に注意。 自社養成(特にJAL)は、CPLの取得歴があると応募できない例がある。免許を取り始める前に、志望先の要項を確認する。
- 「それでも飛びたい」が残っているなら、それが次の道を考える出発点になる。 急がなくていいので、今回から持ち帰れることを一つ見つけて、次の入口を選ぶ。
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航空大学校の結果だけで、操縦士を目指す道が一つに決まるわけではありません。再受験、自社養成、私立大学、自費訓練——それぞれの条件と順番を知ったうえで、自分が残したい道を選んでいくことになります。今すぐ答えが出なくても、次に比べるときの地図として、このページを置いておきます。
eVTOL時代ではどう変わるか
空飛ぶクルマ(eVTOL)が広がると、パイロットになる入口はさらに増えていく可能性があります。今はまだeVTOL専用の国家資格が日本で走り出しているわけではなく、既存の操縦士資格が土台になる見通しです。
制度や採用の形は、まだ変化の途中です。だから今の進路判断を支えるのは、あくまで再受験・自社養成・私大・自費訓練という、目の前の4つの道です。そのうえで、航空の仕事や操縦者の役割は、これからも一つの形に固定されるとは限らない——それくらいに受け止めておくと、一つの結果だけで将来を決めつけずにすみます。
💬スカイ(にっこり):これからの航空がどう広がるかは、まだ途中の話。 だから今は、目の前の4つの入口を、自分の条件と照らして見ていけば十分だよ。
30秒クイズ・考える問い
Q1. 航空大学校に不合格だった場合、再受験はできるでしょうか?
答えを見る
**原則できます。** ただし、過去に第二次試験の身体検査B(脳波検査)で不合格になった人は再出願できません。それ以外の段階での不合格なら、年齢・学歴の条件を満たす範囲で再挑戦できます。Q2. 自社養成を狙い続けたい人が、海外で事業用(CPL)を先に取ってしまうと困る場合があるのはなぜでしょう?
答えを見る
JALの近年の募集例では、現在または過去に事業用操縦士免許を持つ人は応募できないとされているためです。免許を取る順序が応募資格に影響しうるので、志望会社の要項を先に確認しましょう。考える問い: もし今年うまくいかなかったら、あなたが最初に打つ「次の一手」は何にしますか?
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