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Jobyの認証は今どこ?型式証明5段階とパイロット訓練
この記事で分かること
| 対象 | eVTOL業界とパイロットキャリアの両方が気になる志望者〜訓練生 |
| 難易度 | ★★☆ |
| 所要時間 | 約8分 |
| 読むと分かること | JobyのFAA型式証明が5段階のどこか/誰がどう操縦するか(SFAR・型式限定)/初期は有人1名操縦/志望者のキャリアへの意味 |
はじめに
「Jobyって、もう空を飛んでるんですよね?」——eVTOLのニュースを追っていると、そう思えてくる場面があります。実際、試験飛行の映像は次々に公開され、どれも鮮やかです。
でも「試験で飛んでいる」と「お客さんを乗せて商売として飛ぶ」の間には、まだいくつもの段階があります。しかも「将来は自動運転でパイロットは要らなくなる」という話も混ざって、キャリアを考える人ほど、かえって現在地が見えにくくなっているかもしれません。
そのモヤモヤを、公式に発表された情報をもとに見ていきます。JobyのFAA型式証明が今どのあたりにあるのか、誰がどうやって操縦するのか、そしてそれが「パイロットを目指す自分」にどう関係するのか。ニュースを見たときに、「これは試験飛行の話なのか、それとも商用化に近づいた話なのか」を少し分けて考えるための材料になればと思います。
結論(先に一言)
2026年8月に公表されたJobyの資料(7月末時点)によると、同社のFAA型式証明(機体の安全のお墨付き)は、5つの段階のうち第4段階「試験・解析」が8割前後まで進み、最終の第5段階にも入っていますが、認証はまだ完了していません。そして初期の商用運航は、あくまで有人——パイロット1名が操縦する前提です。必要になるのは、既存の操縦資格に加えた「その機種を飛ばすための型式限定」。つまり、少なくとも初期の商用運航では、パイロットが不要になるというより、eVTOLという新しい機種を担う人材が必要になる、というのが現時点の姿です。
Jobyの認証は今どこ?型式証明5段階でみる
新しい機体が商用で飛べるようになるまでには、試験飛行とは別の手続きがあります。それがFAA(アメリカの航空当局)の「型式証明」で、機体の安全のお墨付きにあたります。基準を決め、試験のやり方をすり合わせ、データを積み上げ、最後に当局が確認する——流れとしては、次の5段階です。
- 認証の土台を決める(どんな基準で審査するか)
- 基準を満たす方法を当局と合意する
- 試験・解析の計画を承認してもらう
- 実際に試験・解析を行い、証拠データをつくる
- 当局が最終確認して、型式証明を出す
Jobyが2026年8月に公表した資料(7月末時点)では、①〜③はほぼ完了し、④の「試験・解析」は会社側の進み具合が83%、当局側の確認が77%まで来ました(1年前の2025年8月は、およそ7割と5割強)。最終段階の⑤も、会社側20%・当局側10%と動き出しています。2026年3月には、型式証明の試験に使う仕様どおりの機体(FAA適合機)の1機目が飛行試験を始め、FAAの試験パイロットがこの機体で飛ぶ本格的な試験は、2026年後半に始まる予定とされています。
だから「認証はほぼ終わった」ではなく、実機のデータを当局が確認していく段階に入った、と受け取るほうが近そうです。

▲ 第4段階が大詰めで、第5段階にも着手。認証そのものはまだ完了していない


(基準日:2026年9月時点。進捗の数値はJobyの2026年8月公表資料〈7月31日時点〉による)
誰が操縦する?パイロット資格の枠組み
「空飛ぶクルマは自動で飛ぶから、パイロットは要らない」——そんなふうに語られることもあります。2026年9月にJobyが発表した「アメリカ横断の完全自律飛行」も、貨物や防衛向けに改造したセスナ機での話で、機内には安全のためのパイロットが乗っていました。お客さんを乗せるJobyのeVTOLは、パイロット1名が操縦する前提です。ドバイで公表された試験飛行も、パイロットが乗った有人飛行でした。
アメリカでは2025年1月から、こうした機体が入る「パワードリフト」の操縦ルール(SFAR No.120)が動き出しました。用意されているのは、次のような枠組みです。
- 機体ごとに形や操縦装置、飛び方が大きく違うため、機長として乗るには機種ごとの「型式限定」が必要です。
- 操縦席が1つの機体でも訓練できるよう、高性能なシミュレーターで学び、仕上げに実機で飛ぶ訓練ルートが用意されました。
- すでに商用・計器の資格を持つパイロットが認められた訓練課程に進む場合は、既存の経験を一部反映できる仕組みも設けられています。
補足:Jobyは資格保持者向けに約6週間の機種別コースを開発
Joby自身も、資格を持つパイロット向けに約6週間の機種別コースを開発したと公表していて、シミュレーター訓練の設備も整えつつあります。

▲ ゼロからではなく、既存の資格からの移行。初期は有人・1名操縦が前提
私の経験でいうと、飛行機は機種が変わっても基本は同じで、ゼロから覚え直すことはありませんでした。初期訓練で身につけたことが、大型機でもそのまま土台になります。システムやメーカーの設計思想の違いから、操作や操縦のしかたが変わるところはありますが、新しい機体で20時間ほど訓練を重ねるころには、その違いにも自然についていけました。もちろんこれは固定翼機どうしの移行で感じたことで、機種の移行そのものは、少なくとも私には身構えるほどの壁ではありませんでした。どこでつまずくかは、人によって違うと思います。
むしろ差を大きく感じるのは、シミュレーターと実機のほうです。シミュレーターは、訓練にちょうどいい負荷がかかるように、起きることをあらかじめ設定してあります。実機では天気やお客さんの様子など、その場で変わるものが重なるので、シミュレーターとは別の種類の難しさがあります。一方、エンジン故障のような重大な緊急事態は、実機で再現するほうが危ないので、シミュレーターで何度も繰り返します。本当に起きたときの動き方を、本物に近い状況で身につけておける。シミュレーター訓練の大きな意味は、そこにあると私は感じています。


志望者のキャリアにどう効くか
パイロットを目指す側から見ると、この動きは進路の話にもつながります。訓練を始めたばかりの時期なら、「eVTOLが広がるなら、いま取る資格は将来どうつながるのだろう」と考えることがあるかもしれません。
いまの制度と計画を見るかぎり、初期のeVTOL運航は有人が前提で、しかも「その機種の型式限定を持つパイロット」が新しく必要になります。固定翼や回転翼で商用・計器の資格と経験を積むことは、少なくとも初期のeVTOL運航を目指すうえで、無関係な準備ではなさそうです。
会社が示す「目標の日付」と、実際に商用運航が始まる時期は、分けて見ておきたいところです。eVTOLの形がまだ定まりきらない今、基礎の資格や英語・計器飛行・安全の考え方は、あとで別の進路を考えるときにも手元に残る経験になる、というのが私の実感です。
まとめ
- JobyのFAA型式証明は、第4段階(試験・解析)が8割前後、最終の第5段階も進行中。認証は未完了(2026年8月公表資料・7月末時点)。
- 2026年3月にFAA適合機が飛行試験を開始。FAA試験パイロットの実機試験は2026年後半の予定。ドバイの初搭乗客も2026年が目標。
- 初期運航は有人・1名操縦。SFAR No.120で機種ごとの型式限定が必要。
- 単一操縦席の機体はシミュレーター中心の訓練。既存の商用+計器資格者向けの移行ルートもある。
- 志望者にとっては、基礎資格と運航経験が、将来eVTOLを選択肢に入れるときの出発点になりそう。初期運航では、新しい機種を担うパイロットの役割が想定されている。
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eVTOL時代ではどう変わるか
Jobyの動きを追うと、eVTOLが実用化へ向かう途中で、何がまだ決まっていないのかも見えてきます。認証・運航・訓練が並んで組み上がっていく過程は、これからの空の仕事を考える手がかりにもなります。
もし数年のうちにeVTOLが商用で飛び始めれば、パイロットの働き方に「eVTOLの機長」という新しい選択肢が加わります。早く進路を決めるためというより、将来ニュースを見たときに、自分の訓練とのつながりを考える材料として、今の動きをここに書き残しておきます。
30秒クイズ・考える問い
30秒クイズ
2026年9月時点のJobyについて、正しいものはどれでしょう?
- A. FAA型式証明はすでに完了し、商用運航中
- B. 型式証明は第4段階を進行中で、初期運航は有人・1名操縦の予定
- C. 完全な自動運転で、パイロットは不要
答えは B。「飛べた」というニュースと、「認証がどこまで進んだか」は、同じ話ではありません。
考える問い:eVTOLの機長という選択肢を思い浮かべたとき、いま持っている資格や経験のなかに、そのまま持ち込めそうなものはありますか?気になるのは、固定翼・回転翼・計器飛行のどの部分でしょう。
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Jobyの話は「eVTOL×パイロットのキャリア」という大きなテーマの一部です。全体像や資格の道すじは、次の記事にまとめてあります。

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